カウンセリング 神戸・芦屋・西宮 臨床心理士・公認心理師|かささぎ心理相談室
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新型コロナウイルスと不安・ストレスへの対処

新型コロナウイルスによる休校と不安・ストレス

新型コロナウイルス(COVID-19)が世界的に流行しています。
令和2年2月27日の、安倍首相による臨時休校の要請により、全国の多くの小中学校、高等学校、特別支援学校が休校となりました。

「共働きの家は、誰が子どもの世話をすればいいのか」
「母子家庭、父子家庭にとって負担が大きすぎる」
「学習の遅れをどうすればいいのか」
といった問題が指摘されてきました。

休校中の子どものために、学習コンテンツの無料提供などを始めたオンライン・サービスも数多くあります。
(Yahoo!きっずとかNHK for school、KADOKAWA児童書ポータルサイトヨメルバ、カタリバオンライン、N予備校などなど)

なかなか友達とは遊べないけれど、任天堂Switchのゲームを通じておしゃべりするのが楽しみだ、という子もいるでしょう(Fortniteをやってる子が多いのかな)。

とはいえ、外で思う存分遊べない状況で、子どもたちのストレスも溜まってきているのではないでしょうか。

野外遊び場盛況、来客6倍も 小学生「休校でストレス」

新型コロナウイルスへの対応で多くの観光施設がお休みしている中、開園している岐阜ファミリーパークにはたくさんの家族が集まっているとのことです。
「全面休業すべきなのか、休校でストレスがたまっている子どもたちの心の健康のためにも営業を続けるべきなのか、そのバランスは非常に難しい。市と協議し、感染予防対策を徹底した上で営業している」
と所長さん。

新型コロナ対策の休校で保護者もイライラ 親子のストレスをためないためには?

親が子どもを見ている時間が長くなると、どうしても「ゲームばかりして」「Youtube見過ぎじゃない?」「ちょっとは勉強しないと」「早く寝なさい」と小言が多くなりがちです。
親にとっても子どもにとっても、ストレスがたまりますよね。

新型インフルエンザが流行した2009年、厚生労働省の休校要請で、兵庫県と大阪府では約150万人の児童・生徒が1週間の自宅待機に。兵庫県内の高校はスクールカウンセラーが随時相談に乗る態勢を整えたが、休校が明けると、それまで月2回だった相談日が十数回に増えた学校もあったという。

とのこと。

休校で困っていること 1位「運動不足」 2位「ストレスや精神面」…リアルな声を紹介 〈新型コロナ すくすく緊急アンケート①〉

体育も部活動もなく、運動不足は確かに困りごとですね。生活リズムが乱れたり、きょうだい喧嘩が増えたり、といった困りごとも多いようです。

続いて「ストレスや精神面」がきているのは、やはり休校が長期化してきて、不安も大きくなっているということでしょう。

新型コロナウイルスとメンタルヘルス

新聞やテレビなどの報道、インターネットの情報は、新型コロナウイルスに感染しないためにはどうすればいいか、感染のリスクは、死亡率は、どこで感染者が見つかったか、といったことが中心です。

しかし、メンタルヘルスに関する情報もいくらか見つけることができます。
新型コロナウィルスと社会不安、メンタルヘルス

という記事では、「個人・社会の心理的問題から見れば、今の政府の政策や努力は、不安を解消する役には立っていない」としつつ、コロナウィルスに対するメンタルヘルス対策が紹介されています。

WHOの、”Coping with stress during the 2019-nCoV outbreak“(コロナウィルス蔓延中のストレスへの対処)というパンフレットでは、

・このような危機に際して、悲しみやストレス、恐怖、怒りを感じるのは普通のことです。
・信頼できる人と話すことが役立ちます。友達や家族と連絡を取ってみましょう。
・自宅で過ごさざるをえないときは、健康的な生活スタイル、たとえば食事や睡眠、適度な運動、メールや電話などで家族や友人と社会的なつながりを維持するようにしましょう。
・気持ちを落ち着けるためだからといって、タバコやアルコール、不適切な薬剤に頼るのはよくありません。打ちひしがれてしまったら、カウンセラーなど、専門家に助けを求めましょう。
・事実(ファクト)をちゃんと把握しましょう。正しい情報と知識など持てば、適切な対処行動をとることができます。
・不安を煽るようなメディアを見る時間を減らして、心配や焦りも減らしましょう。
・自分が過去に逆境を乗り切ったときのことを思いだしましょう。そうすれば、この難局にあたって感情を制御するのに役立ちます。

といったことが提案されています。

また、日本精神神経学会の機関誌“Psychiatry and Clinical Neurosciences“には、
Public responses to the novel 2019 coronavirus (2019‐nCoV) in Japan: Mental health consequences and target populations

というタイトルで、新型コロナウィルス感染症に際してメンタルヘルスの専門家が留意すべきことについて注意喚起したレターが掲載されているとのことです。

こうした危機的な状況では、人々は極端な考え方や行動に走ることがある。
アルコールやタバコ、社会的引きこもりといった健康を害する行動や、うつ、身体症状、ストレス障害などのメンタルヘルスの問題を来す可能性がある。
といったことが指摘されています。
また、感染した患者や家族へのサポート、外国人に対する偏見への対応、精神障害を持つ人たつのケア、医療従事者へのメンタルケアなどに配慮すべきとのことです。

日本心理臨床学会の支援活動委員会では、
コミュニティの危機とこころのケア

というページで、「新型コロナウィルス対応に関する情報」を提供しています。

一般社団法人 日本臨床心理士会災害支援プロジェクトチーム
一般社団法人 日本公認心理師協会災害支援委員会
公益社団法人 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
の3団体で共同メッセージが出されていたんですね。

不安やストレスを抱えた子どもや家族へのコミュニケーション」として、次のようなことが提案されていました。

他にも、児童生徒用の
「コロナウイルスってなんだろう?」
「レジりん通信」(レジリエンス とストレスマネジメント)
「不安になった時の対処法案内ポスター」
などがありました。

子どもだけでなく、大人にとっても、不安やストレスへの対処法(コーピング)を身につけておくことは大切ですね。

APA(American Psychological Association:アメリカ心理学会)も、新型コロナウイルス(COVID-19)に関する情報を提供しています。コロナウイルスにまつわる不安や恐怖にどう対処するか、といった記事がいくつか紹介されていました。

その他にもいくつか新型コロナウイルスと不安・ストレスに関する情報を読んでみましたが、

といったところは共通しているように思いました。

こういうとき、私たちは「これからどうなるんだろう」「仕事がなくなったらどうしよう」「感染したらどうしたらいいのか」とあれこれ考えて不安になるものです。WHOのパンフレットにもあるように、これは自然な反応です。

ただ、心配に四六時中とらわれて、頭の中で「どうしようどうしよう」とぐるぐる考えてばかりだと、そのこと自体が大きなストレスになります(ぐるぐる思考とか、思考の反芻)。

どうなるかわからない可能性の話や、未来のことばかり心配していても、いつまでたっても不安は解消されません。自分の手の届く範囲のこと、自分でコントロールできること、に意識をむけてみるのがいいようです。

「とりあえず、手洗いとうがいはちゃんとしよう」

「規則正しい生活をして、ぐっすり眠ろう」

「あまりテレビでコロナウイルス情報ばかり見て悩まずに、好きな映画を観たり、本を読んで過ごそう」

「少し身体を動かしてみよう」「ストレッチやヨガをしてみようか」

「散歩をして陽の光を浴びてこよう」

「友だちと久しぶりに電話で話をしてみようか」

といったふうに、今、自分ができること、やってみたら良さそうなことをひとつひとつ大切にしていくと、先の心配に飲み込まれにくくなると思います。

*3月22日追記
日本心理学会が、アメリカ心理学会(American Psychological Association: APA)公式Webサイトに掲載された記事 “Keeping Your Distance to Stay Safe” を翻訳していました。

もしも「距離を保つ」ことを求められたなら:あなた自身の安全のために