卒業式のスクールカウンセラー

先日、スクールカウンセラーとして働いている神戸の中学校で卒業式がありました。
日頃は、「学校の先生って、朝は早いし、夜遅くまで仕事しているし、大変だなあ」と思っているのですが(経済協力開発機構が何年か前に行った調査の結果では、日本の教員の仕事時間は世界各国の平均を大きく上回るほど多忙ですが、自己評価は低いのだそうです)、この日ばかりは「先生という職業もいいものだ」と感じます。

カウンセラーとしては、個々のクライエントさんのカウンセリングからの「卒業」に立ち会うことはありますが、集団での儀式としての卒業式は、学校ならではの体験です。

相談室に訪ねてきたくれたことのある生徒も何人もいるので、「みんなどんな顔で卒業するのか」ということが楽しみでもあります。
また、なかなか登校できなかった生徒が今日は来てくれるか、あるいは「第二部」「第三部」の卒業式(不登校の生徒たちのために、校長室などで午後からこじんまりと行われることも多いのです)に間に合うか、などとはらはらする一日でもあります。

300人以上の卒業生が名前を呼ばれて、返事をして、校長先生から卒業証書を受け取って一礼して段から降りるまで、時間にして約4、5秒。
その間の歩き方や姿勢、表情や声などを観察して、知っている生徒については「この子はきっとこんな感じだろう」 と予想したり、知らない生徒のことは「たぶんこんなタイプの人じゃないか」と想像してみました。

せっかくなので、観察と見立ての練習の機会にもしてしまおうというわけです。

しゃきしゃきと歩く

堂々としている

蚊の鳴くような声

早くも涙ぐんでいる

うきうきとしたステップ

いろんな生徒がいますが、きっとそれぞれ、その人らしさが身体と動きに表れているのだと思います。
その姿を見ながら、「10年前はどんな子だったか」「10年後にはどうなっているかな」と想像してみるのも楽しいものでした(ちなみに、過去や未来のその人を想像してみる、という技はいろんなところで使えます。苦手な相手のことも「10歳の子供の頃の姿」を想像できれば意外と平気に感じます)。

今日は、芦屋市の小学校の卒業式の日で、街には晴着を着た子供たちがたくさん歩いていました。
中学生は制服ですが、小学生は自由なので、袴姿の男の子や女の子もけっこういて晴れやかでした。このあたりならではかもしれません。(久)

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神戸・芦屋・西宮のカウンセリングかささぎ心理相談室は病院や学校などの経験が長い臨床心理士によるカウンセリングルームです。JR芦屋駅そばにあり、大阪・尼崎から、あるいは神戸市や宝塚市からもアクセスしやすいところにあります。

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