神戸・芦屋・西宮のカウンセリング・かささぎ心理相談室|臨床心理士
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『赤ずきんとオオカミのトラウマ・ケア』

 

赤ずきんとオオカミのトラウマ・ケア: 自分を愛する力を取り戻す〔心理教育〕の本

トラウマ(心的外傷)とは、いったい何で、現在にどのように影響しているのでしょう? そして、トラウマに対処し、回復するためにはどうすればいいのでしょうか?

この本には、トラウマの症状と回復の道のりが、「赤ずきん」の物語を借りてわかりやすい言葉で描かれています。

トラウマからの回復には、まずトラウマについて知ること(心理教育)、そして自分を大切にするセルフケア、そして感情表現や人間関係などの生きていくためのスキルを身につけることが大切になります。

トラウマの記憶は、時間が経っても色あせず、いつまでも鮮明なままです。そして、苦痛や不快感、恐怖や恥などの感情が生々しく残っているので、思い出してしまうとそのときと同じような苦痛を体験します。

フラッシュバックや悪夢などのかたちで記憶がよみがえってくることは、トラウマの症状のひとつです(再体験)。

再体験とは反対にトラウマの記憶を自分から切り離してしまう麻痺・回避、神経が高ぶった過覚醒などもトラウマの症状として挙げられます。

こうしたトラウマ症状から回復していくにあたって重要なことは、「今・ここ」を少しずつでも増やしていくことだと著者は書きます。

トラウマ記憶を持っている人は、「大きな過去」に圧倒されて、「今・ここ」がちっぽけになってしまっているからです。

安全を感じて、リラックスして呼吸に注意を向ける、あるいは踊る、歌う、楽器を弾く、身体を動かすといったことを通じて、「今・ここ」を豊かにしていくことで、相対的にトラウマの記憶が小さくなっていきます。また、「今・ここ」が豊かなほど、安全にトラウマを思い出して言葉にすることがしやすくなるのです。

サブタイトルには「自分を愛する力を取り戻す」と書かれています。トラウマを抱えた人は、恥や罪悪感、自己否定の気持ちが強いため、自分の価値をなかなか認められません。自分を大切にできると、他者と安全な関係を築いていくこともできるようになります。そして人生に意味を見出して、自分の物語を生きていくことが可能になるのです。

トラウマ体験を持つ当事者や、その家族、支援する人たちにぜひおすすめしたい本なので、取り上げさせていただきました。

白川 美也子『赤ずきんとオオカミのトラウマ・ケア: 自分を愛する力を取り戻す〔心理教育〕の本』アスクヒューマンケア 、2016年

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