地中海ダイエットがうつ病を改善するという研究

ABC Newsに

Mediterranean diet can help in fight against depression, Australian study finds
地中海ダイエットがうつ病との戦いを助けてくれる、オーストラリアの研究での発見

という記事が掲載されていました(ビデオもあります)。

地中海式ダイエットというのは、1960年頃のギリシャや南イタリアの伝統的な食事によるダイエットなのだそうです。

全粒穀物や豆、オリーブオイルとナッツ類、野菜と果物などが中心の食事で、もともと身体の健康にもいいと言われていましたが、ディーキンス大学の研究者がうつ病の改善にも効果があることを発見したとのことです。

研究の要点は、

というものです。

実験では、ランダムに選ばれた31名の参加者が地中海ダイエットに取り組み、コントロール群として25名が毎週研究者と面談しました(社会的サポートを受けたグループ)。

MADRS(モントゴメリー/アスベルグうつ病評価尺度)という尺度を使って12週間後の両群の気分の状態が調べられました。0から60点で評価される尺度で、得点が高いほどうつは重いとされます。

地中海ダイエットに取り組んだ人たちの12週間後のMADRSスコアは、平均して11点改善していました。参加者のうち10名(32%)は、もはやうつ病の診断基準を満たさないほどのスコアだったそうです。

一方、社会的サポートのグループで同じくらい改善したのは8%のみでした。

地中海ダイエットを試みた参加者の一人は、「心がスッキリしてバランスが取れたと感じた。幸福に感じたし、実際にエネルギーが出てきた。うつを本当に打ち負かしたみたいに。うつ病がすっかり治ったというわけじゃないけど、うまく対処できるようになった」と話しているとのことです。

また、地中海ダイエットの方が、コストも19%低かったのです。けれども、体重の方は減らなかったんだそうです(うつを治すために無理に痩せなくてもいいということですね)。

サイコロジー・トゥデイ誌でもこの研究が取り上げられていて()、「人間の脳は私たちが食べているものに深く関心を寄せていることを証明した素晴らしい研究だ」と書かれていました。

多分、日本で研究すれば「和食がうつの改善に効果がある」なんていう結果が出そうな気がします。どこかで読んだことがあると思って調べてみたら、そういう研究もすでにありました()。

『生活習慣病としてのうつ病』(井原裕、弘文堂、2013年)にも書かれていましたが、メンタルヘルスにとって、健康的な食生活と睡眠、適度な運動がまず重要ということですね。

 
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