無料、あるいは公的機関のカウンセリング
「カウンセリングを無料で受ける場所を探しているのですが」
「電話で相談できるところを知りませんか?」
と尋ねられることがあります。
無料で利用できる代表的な相談機関を以下にご紹介します。
Contents
無料のカウンセリング
無料のカウンセリングや相談先としては、
- 公的機関での相談
- いのちの電話などのボランティアで行われている活動
が挙げられます。
無料のカウンセリングのメリットとして考えられるのは、やはりまず費用的なことです。
また、医療や福祉施設、他の行政サービスなどと連携しやすいということもメリットとして考えられます。
たとえば、児童相談所で子育てについて相談しながら、子どもを一時保護などで預けたり、あるいは生活保護などの福祉サービスにつないでもらうといったことなどです。
ただし、いずれも対象となる人や問題が限定されていることが多いので、あなたの問題に適した相談場所かどうかということを見定めて利用する必要があります。
また、単発の相談になりやすく、長期的に相談を続けるのは難しいこともあります。
学校の相談室などは、卒業すると利用できなくなることが多いでしょう。
教育相談センター、児童相談所など
不登校やいじめ、発達の問題などの子どもについての心配事は、自治体の教育相談センターで相談することができます。
保護者の相談だけでなく、子どものカウンセリングや遊戯療法を受けられる場所もあります。プレイセラピーともいって、言葉による表現が苦手な子どもさんを、遊びを通じて手助けする方法です。
基本的に、無料で利用することができます。また電話相談が可能な地域もあります。
ただし、その自治体に住んでいることや、子どもの年齢(18歳未満)といった条件があるでしょう。
児童相談所でも、子どもについての相談をすることができます。子ども家庭センターといった名前で呼ばれている地域もあります。非行や虐待などのケースに介入することが多い機関で、一時保護や施設入所などの措置なども担っています。とても忙しいところなので、危機的なケースでないと、継続した相談は受けにくいこともあります。
スクールカウンセラーや学生相談室
小中学校にスクールカウンセラーが派遣されることも多くなってきました。
それぞれの学校で週に1回程度、スクールカウンセラーが勤めているという学校が多いでしょう。
子どものカウンセリングだけでなく、保護者の相談もしています。
- 子どもの不登校
- いじめ
- 友人関係
- 先生との関係
- 家族の困りごと
などを相談することができます。
私立の学校でなければ、一般的にはスクールカウンセラーは一人だけで日数も限られていることが多いので、「日程が調整しにくい」「カウンセラーと合わなくても交代できない」といったこともあります。
また、大学の学生相談室や保健管理センターでも、カウンセリングを受けることができます。
居場所的に使うことができたり、あるいは心理教育やグループカウンセリングなどを行っている学生相談室もあります。
企業の医務室や相談室
大きな会社になると、専属の医務室や心理相談室をもっているところもあります。働いている人が、ストレスやうつ病、職場の人間関係について相談することができます。
また、EAP(従業員支援プログラム:Employee Assistance Program)として、外部のカウンセリング機関に相談事業を委託している企業もあります。チケット制などで、福利厚生の一環として利用可能なことがありますので、会社に確認してみてもいいかもしれません。家族が利用できることもあります。
精神保健福祉センターなど
全国の精神保健センターで、心の病気や薬物・アルコール依存、家庭内暴力、ひきこもりなどについて相談することができます。
こころの健康に関する啓発のためのリーフレットなどを配布しているところもあります。兵庫県精神保健福祉センターのサイトからは、『ひきこもりを理解するために』『アルコール依存症からの回復』に関するリーフレットをダウンロードすることができます。神戸市こころの健康センターでは、「自殺予防とこころの健康電話相談」を精神保健福祉士や臨床心理士が受けつけています。月に2度、思春期をめぐる精神保健の問題について精神科医に相談する機会もあります。
また、神戸市各区や他の市でも、精神保健福祉相談が行われています。精神疾患に関すること(医療機関を探したい、入院したい等)や社会復帰に関するさまざまな制度について相談したいというときに利用できます。精神保健福祉相談員は、ソーシャルワーカーが担当していることが多いようです。
男女共同参画センター
各地の男女共同参画センターには、相談室が併設されていることが多く、電話や面接で心の悩みや法律相談、不妊相談などを受けることができます。カウンセラーや助産師、医師などが、相談を受けてくれます。兵庫県の男女共同参画センター・イーブンでは、女性の起業などのチャレンジ相談や男性のための相談も行われているようです。
芦屋市や神戸市の参画センターでも、それぞれ相談事業が行われています。
地域若者サポートステーションなど
全国各地にある若者サポートステーション(サポステ)は、「働きたいけど、自信がもてないし、どうしたらよいのかわからない」「コミュニケーションが苦手」「人間関係が不安」といった、働くことに悩みをもつ15歳~29歳までの若者の就労を支援しています。
キャリアコンサルタントやカウンセラーに相談したり、あるいはさまざまな講座やプログラムで、知識やスキルを身につけることができます。
長いことひきこもっていて、まだ働くというところまで考えられないという方には、たとえば芦屋市には、若者相談センターのような相談窓口が開設されています。
いのちの電話などの電話相談
全国のいのちの電話などに、電話相談をすることもできます。365日、24時間対応しているところが多く、またインターネット相談も受けつけています。チャイルドラインでは、18歳までの子どもが電話やネットで相談することができます。いずれも、ボランティアの相談員が対応してくれます(もちろん、ちゃんとした電話相談のトレーニングを受けた人たちですので、安心して相談できますよ)。また、厚生労働省が開設している「こころの耳」というサイトでは、働く人を対象としたメール相談や電話相談を行っています。こころの健康相談統一ダイヤルでは、電話やSNSで相談することができます。
ここまでの相談機関は、いずれも公的なサービスだったり、あるいはボランティアによるサービスなので、ほとんどが無料で相談することが可能です(一部の講座などで、有料のものもあるかもしれませんが、低料金のことが多いでしょう)。
自助グループ
全国各地にある自助グループでは、依存(アルコールや薬物、ギャンブル、ゲーム、恋愛など)やひきこもり、AC(アダルトチルドレン)といった共通のテーマをもった人たちが集まり、ミーティングを行っています。会場費程度で参加できるところが多いでしょう。
精神科・心療内科
精神科や心療内科の病院、クリニックなどで、医師の診察以外に、カウンセラーや精神保健福祉士に相談できるところもあります。自立支援医療制度を利用していれば、自己負担が軽減されます。
この記事は、相談先はどこ? 失敗しないカウンセラーの探し方、選び方からの一部抜粋と補足です。