「よいカウンセラー」とは?

*この文章は別の記事(神戸市・兵庫県であなたに適したカウンセリング・相談先を探すには?)の一部を抜き出したものです。

まずはじめに、「よいカウンセラー」の条件とはどんなことかを考えてみましょう。手元にあった『カウンセリングを受けたいと思ったらQ&A』(上地安昭、創元社)という本をめくってみると、「すぐれたカウンセラーの態度」がいくつか紹介されていました。

カウンセラーには専門家としてのすぐれたコミュニケーションスキルが必要で、以下のようなカウンセリングスキルや態度がクライエントの助けになると書かれています。

よいカウンセラーとは・神戸のカウンセリング

受け入れてくれる=受容的態度

相手のあるがままを受け入れる態度。尊敬と思いやり。「こうしたらいいですよ」とアドバイスばかりされるのも、なんだか今までの自分の努力や苦しみを否定されているようで辛いものです。「今の自分」をそのままに受け入れることで逆説的に変化が生じることを「変容の逆説理論」と呼んだりもします。

よく聞いてくれる=傾聴的態度

一生懸命耳をかたむけ、正面から向き合う態度。一般に「カウンセリング」「カウンセラー」というと、「話をよく聞いてくれる」といったことが思い浮かぶでしょう。「話をしっかり聞く」ということは想像以上に難しいことです。もちろん、「アドバイスや意見も欲しい」という人もいることでしょうから、そうした要望に答えてくれるカウンセラーも「よいカウンセラー」と言えます。

気持ちを分かってくれる=共感的態度

相手の立場になって、相手の内面的世界を理解しようとする態度。カール・ロジャーズ の「人が変化するときの3つの条件」として挙げられているのが、「無条件の肯定的関心」「共感」「自己一致」です。共感とは、単に同情したり心が動かされることではなく、「相手の靴を履いてみる」ような態度だと言えます。つまり、相手を分類したり、診断するのではなく、「相手の内側から」その人のことを理解しようとする態度です。

整理してくれる=明確化・具体化の態度

具体的でわかりやすい言葉や表現を使って問題をあきらかにしようとする態度。カウンセリングの「効用」の一つに、話をすることですっきりして問題が整理されるということがあります。聞き手によっては、かえってこんがらがってしまうなんてこともあるので、やはり適切な相槌や質問、要約によって問題を明確にしてくれるカウンセラーが「よい」相談相手だと言えます。

率直な人=純粋な態度

純粋で誠実かつ正直な態度。ロジャーズ のいうところの「自己一致」ですね。この反対が、「カウンセラーの役を演じてるみたいな人」でしょうか。

オープンな人=自己開示的態度

心を開いてあるがままの自分の真実を語る。カウンセラーは、尋ねられたことすべてに答えるわけではありませんが、それでもあんまり防衛的な人は、相談する人も心を開きにくいですよね。

背中を押してくれる人=現実直面化の態度

傷つけないようにじゅうぶん配慮したうえで、クライエントが事実から目をそらさず、現実を直視できるように手助けする態度。

頭でっかちではなく、「今ここ」で関わってくれる人=即自的態度

いま、ここで起こっていることを大事にして相手とかかわる態度。「ああしよう、こうかかわろう」と頭で考えてばかりだと、目の前で起こっていることが見えなくなります。カウンセリングで大切なのは、まずは理論やアプローチは横において、目の前のクライエントの言葉や身体表現をそのまま感じることです。介入する言葉や技法も、「今ここ」のコンタクトから、即興的に、プレイフルに生まれてくるものが最も効果的です。

カウンセリングと「猫の妙術」も読んでみてください。

誠実に向き合って、きちんと耳を傾けることができ、自分を偽らずに相手にかかわることができる。そして、理論や理念ではなくて、いま、ここで起こっていることを大事にしつつ、クライエントが現実を乗りこえていくことができるよう手助けする。

そんなカウンセラーが「いいカウンセラー」と言うことができそうです。また、当然のことですが、「クライエントを自分のために利用しない」ということも大事だと思います。

ここで挙げたようなことは、実際に会ってみないとわかりにくいことです。一度カウンセリングに訪れてみて、どんな人柄かを自分の目で確かめてみると、「このカウンセラーは誠実に私と向き合ってくれているかな」「ちゃんと聞いてくれているか」といったことがわかるでしょう。

カウンセラーが行っている講座やワークショップ、講演、グループカウンセリングなどがあれば、それに参加してみるというのもひとつの手ですね。

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