神戸・芦屋・西宮のカウンセリング・かささぎ心理相談室|臨床心理士
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風邪さん、風邪さん

ひさしぶりに風邪をひきました。
布団でうんうんうなりながら、確か『風邪の効用』(野口晴哉)という本に、風邪によって鈍くなった体が弾力を回復するのだというようなことを書いてあったと思い出しました。
体の使い方が、偏っていると弾力に乏しくなって疲労がたまる。大病になる前に体がバランスを取り戻そうとするはたらきが風邪だ、だから熱なども無理に抑えるのではなく上手に病を経過して抜けるのがよろしい、といった話だったと記憶しています。
本棚のどこかにあるはずですが、そのときは熱でもうろうとしていたので探す気力はありませんでした。

でも、せっかく風邪をひいたのだから、たまには少し丁寧に体の声を聴いてみようと思いました。
頭蓋の中のぼわんと熱のこもった感覚だとか、きりきりする痛み。胸の息苦しさや喉の詰まった感じ。
咳の度に瞼の裏でピカピカする猫の目玉のような光。背中の筋肉の痛みなどなど。
ひとつずつ感じたり観察してみると、しんどいのは確かにしんどいのですが、同時に妙に楽しくなってきます。
背中の痛みはなんて言ってるのかな、と想像してみるのも面白い。

「こないだ義務感だけでがんばったよね」

「あのときは見栄で無理してたんじゃない」

「言いたいこと言えずに抑えたときのこわばりはこのあたり」

「むかっときたのを腹に飲み込んだ」

「だからこんなに偏りが出たんだ」

「いやいや、この寒いのに焚火なんてして遊んでるからだよ」

「のびのびしたらこんなに楽しいよ」

「背中の右のあたり、もうちょっと伸ばして」

といった体の声(それとも幻聴?)にしたがってごろごろして汗をかいたり、しばらく寝て夢を見たり、うなりたかったらそうしてみたり、なんて感じで一日過ごすと、いつのまにやら体(と心)が「シャン」として、しなやかさも少しだけ取り戻せたような気がします。

「病気や困難を無理に排除したり、治そうとするのではなくて、上手にプロセスを通過していくのが大切」ということは、心についても似たようなことが言えそうです。

寒い季節となってまいりましたので、皆さま、風邪とも上手にお付き合いしつつ、ご自愛ください。(久)

 

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